働きやすい職場はどのように作られるのか? イノベーティブで協働的な組織のあり方とその実践について研究を行っている埼玉大学大学院の宇田川元一先生の講話をもとに、コントロールを排除した、より自然体な経営スタイル「自然経営」のあり方について考えてみた。 第1回:人がつながるプラットホーム、コラボレーティブコミュニティとは? 第2回:"勇気を持たなくても言い出せる"組織の作り方 第3回:「貢献感」で会社と社員をつなぐ 第4回:"弱さ"とはつまり、"関わることのできる余地"のことである 第5回:弱さが強さに変わる組織 <「貢献感」で会社と社員をつなぐ(第3回)> ●定期的フィードバックではなくリアルタイムフィードバック 今後、兼業が一般的になり一企業への依存度が下がった先、それでも企業がスタッフの求心力を保つためには何が必要だろうか? 会社とスタッフの両者を考えた場合、それは「高いパフォーマンスを出せること」にフォーカスすることではないかと宇田川先生は語る。 これはつまり、スタッフの「貢献感」にアプローチすることだと言える。 では、そのために組織には何が必要だろうか? 宇田川先生は、リルタイムフィードバックの重要性を指摘する。そして、上司や仲間の役割も、「成長へのサポート」にシフトしていくことが大切だと語る。 半年に一回のフィードバックや、1ケ月に一回の定期の面談でもなく、何かあったとき、必要なときに、その場で(リアルタイムに)フィードバックが行われることが大切なのだ。(そしてこれは、定着・成長のサポートへとつながる!) 一方で、いま多くの企業で行われているフィードバックは半年や1年に一回の"定期的な"フィードバックである。それは、スタッフのためというよりも会社の都合で行われている。成果評価における目標の達成度の確認、また、給与を決定するための人事評価制度の一環として行われるものなのだ。 あまり大きな声では言えないが、人事成果の中で最も従業員満足度が低いのは人事評価制度に対してである。 理由は様々であるが、半年前に立てた目標に対して(半年間寝かせられた後に)フィードバックされても響かないというのが正直なところだろう。 ●企業組織のあり方も競争から協力の時代へ
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