働きやすい職場はどのように作られるのか? イノベーティブで協働的な組織のあり方とその実践について研究を行っている埼玉大学大学院の宇田川元一先生の講話をもとに、コントロールを排除した、より自然体な経営スタイル「自然経営」のあり方について考えてみた。 第1回:人がつながるプラットホーム、コラボレーティブコミュニティとは? 第2回:"勇気を持たなくても言い出せる"組織の作り方 第3回:「貢献感」で会社と社員をつなぐ 第4回:"弱さ"とはつまり、"関わることのできる余地"のことである 第5回:弱さが強さに変わる組織 "勇気を持たなくても言い出せる"組織のつくり方 <自然経営シリーズ 第2回> ●今の多くの組織は、言いたいことが言いづらい組織のカタチになっている イノベーションの本質はコラボレーションにある。そして、恊働する組織としてコラボレーティブコミュニティを紹介いただいた。 (コラボレーティブコミュニティについては前回の記事参照) 宇田川先生のお話の中で、コラボレーティブコミュニティのポイントとして「言いづらいことも言える風土づくり」が挙げられた。 組織における対話の重要性を語られることは多い。 もっと言えば雑談だ。言いたい時に言いたいことが言えること、必要なときに必要なことを言えることはコラボレーションにおいても大切だ。 一方で、今の多くの組織がとっているピラミッド型の組織は、組織の構造的に、「言うべきことを言えなくて当然」なカタチになっていると宇田川先生は指摘する。 ピラミッド型組織の特徴はコントロールに向いているコントロール型の組織である点である。 ではなぜコントロールできるのか?それは、部下が一カ所に依存する組織のカタチにある。 今、多くの企業で組織の活性化を目的に、トップダウンではなくボトムアップの組織にしようとする試みが行われているが、それは、組織の構造的にかなり難しいと言えるだろう。 ●勇気を持たなくても言い出せる組織 では、どうすれば言いたいことを言える組織を作れるだろうか? 宇田川先生の答えは「依存先を増やす」だ。 一カ所に依存する仕組みが言い出しづらい環境を作っているとすれば、依存先を増やすことができれば相対的に依存度は下がる。
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